株式会社高喜商店

2022.7.13

昔ながらの製法が生む“濃い”海苔の味

一枚を口に運ぶと、ふわっと香る豊かな磯の香り。口の中で溶けていくうちに、一枚の海苔に詰まった海の恵みと凝縮されたうま味が堪能できる海苔。一枚からは想像できない味わいが広がるのが、神奈川県川崎市の高喜商店が手がける海苔です。

海苔問屋として川崎の地で創業して120年以上が経ち、現在5代目に受け継がれる高喜商店。品質にこだわり全国各地から選りすぐりの海苔を買い付けながら、違いを知る飲食店や個人のお客さまに良質な海苔を提供し続けています。そこには、先代から受け継がれた海苔への深い情熱と、今の時代に合った海苔をお届けしたいという強い思いがありました。現在5代目の代表・高田久(ひさし)さんと、営業と広報を担当する高田保(たもつ)さんにお話を伺いました。

2種の神奈川県産海苔を楽しむ組み合わせ

今回お届けする商品は、神奈川県産の「焼海苔」とオリジナルの甘辛タレで仕上げた「味付海苔」の2種類を7本ずつセットにした、計14本の組み合わせです。神奈川県産の海苔を使用した焼海苔は、高喜商店の海苔を買うなら「まずこちらから」とおすすめしている一品。味が濃く食べ応えのある海苔は、単体で食べても美味しく、しっかりと主張のある味わいに驚きます。

味付海苔は、「スナック感覚で食べられる海苔です」と久さん。調合にこだわったオリジナルのタレが効いた味付け海苔です。タレの甘さが際立つ味付け海苔も多い中、高喜商店は海苔自体にも手を抜かず、海苔の味わいがしっかり感じられるものをセレクトしています。食べ応えがあり、満足感もあるのにサクサク食べたくなってしまう…まさに一枚、もう一枚と手が止まらなくなる海苔です。

創業120年の海苔問屋「高喜商店」

高喜商店は、明治34年に創業し、2021年で創業120年を迎える老舗の海苔問屋。漁師さんたちの手によって成形された海苔の仕入れから、火入れ加工、焼き入れ加工、販売まで数多く存在する全ての工程を自社で行う「自社製造一貫管理」 が特徴です。お客さまが一番安心できる形で最も美味しいものを提供するために、この形を取っているのだとか。

高喜商店の海苔作りは、全国各地の産地で行われる入札会で海苔を直に見極め、海苔 の買付けをするところからスタート。神奈川県産の海苔は12 月から3月の厳寒の季節に毎週行われる。 仕入れた全ての海苔は一枚一枚検品をしながら「のばし作業」「火入れ作業」を経て「乾海苔」にした後、高温で焼き上げて完成。卸のほか、工場併設のファクトリーショップで直接販売もしています。

一枚一枚職人が丁寧に仕上げる焼海苔

香ばしい磯の香りが漂う工場も、案内していただきました。「職人が細かく状態をチェックしながら、一枚一枚丁寧に焼いています」と保さん。焼海苔に仕上げる工程では、海苔の種類や特性、状態を見ながら「焼き」の温度や時間を調節し、熟年の技で味が引き立つベストな加減を調節しています。

海苔は、和紙のように海藻を薄く伸ばしていてできている繊細な品。焼海苔の職人は、細かな品質の違いにも気づき、海苔自体の仕上がりの良し悪しをその目で見極めます。その道数十年の経験と勘があるからこそわかる「一番美味しく食べられる状態」を目指して海苔を焼き上げています。

地産地消を掲げ神奈川県産の海苔にこだわる

実は、海苔養殖の発祥の地は東京湾。今も”昔ながらの製法”の海苔作りが続いているのだそう。しっかりとした海流がある中で育つ東京湾の海藻は磯の香りや海の味が強いのが特徴で、製法が海苔本来の味わいを一層引き立てます。手間がかかるため大量生産は難しく、生産量は他の産地よりも少ないのだとか。

その発祥の地で長らく海苔と向き合い、神奈川県産の海苔を丁寧に買いつけてきた高喜商店。神奈川で海苔問屋を営む身として「地産地消」を目指し、神奈川県産の海苔の買付高では、毎年1、2を争うトップクラスの量を誇っています。

兄弟で支える海苔問屋としての挑戦

社長の久さんが社長に就任したのは、2016年のこと。代々仕入れと加工を担当するのが代表の担当で、子どもの頃から“遊び場がわり”に市場に連れて行かれたのだそう。「初めて海苔を競り落とした時のことも覚えていますが、最初は全然うまく買いつけられませんでしたね」と振り返ります。長年の経験と勘がものを言うのが“海苔の目利き”の技術。27歳で買いつけデビューを果たし、今や10年を超えるキャリアで高喜商店の海苔の仕入れを一手に引き受けます。

そして、久さんの実の弟にあたるのが保さん。営業や広報を担当し、今は二人三脚で高喜海苔を支えています。お客さまにぴったりの海苔を提供する「海苔コンシェルジュ」や、都内で海苔の食べ比べイベントを開催するなど、時代に合わせた提案で海苔とお客さまをつないでいるのです。

香り高い海苔が彩る日常の食卓

せっかくおいしく焼き上がった焼海苔。最大限美味しく食べるには?誰より海苔を知りつくすお二人に、美味しい食べ方を聞いてみました。「海苔自体にうまみ成分がたっぷり入っているので、やっぱりご飯との相性が抜群です」と保さん。そのまま食べても美味しいですが、水分を含むと香りが立つため、炊き立てのご飯と食べることで一番美味しさが引き立つそう。

海苔に醤油を少しだけつけて、ホカホカの炊き立てご飯と一緒にいただく。湯気とともにふんわりと広がる磯の香りと凝縮されたうま味を、一枚の海苔から感じられます。そのほか、お餅やおせんべいを包んだりちぎってサラダにかけたりするなど、活用方法も無限大。いつもの食卓が、海苔の彩りでますます豊かになりそうです。

「架け橋でありたい」海苔問屋である誇り

海苔問屋として先代から大切にしている考えを、久さんが教えてくれました。それは、常に「架け橋」としての存在を意識することだといいます。「私たちは海苔問屋です。自分たちだけ良い思いをしようと思ってしまったら成り立たない。漁師さんやお客さま、私たちと関わる方々の“架け橋”となれるように、日々海苔と向き合い、挑戦することを大切にしています」

創業120年、今も受け継がれる高喜商店の“海苔ひとすじ”の情熱。海苔作り発祥の地・東京湾から今もなお提供され続ける海苔は、高喜商店を通じて時代に合った形で食卓に届けられています。高喜商店の一枚に詰まったこだわりと、美味しさが生まれた海の恵みに思いを馳せて、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

文章:大久保 真衣(おおくぼ まい)

おすすめの返礼品

【神奈川県産】高喜の焼海苔「雪の華」8切200枚×2本(板のり50枚)(YK-2M)

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参考寄附額
18,000